最近ではSNSだけでなくニュースでも取り上げられることが多い『FIRE』ですが『FIRE』とは何か知っていますか?
まず『FIRE』とはFinancial Independence(経済的独立)とRetire Early(早期退職)の頭文字を取ったものです。
つまり、一生分に必要なお金をさっさと稼ぎ切ってしまって、早期にリタイヤ(退職)するということです。
今回はこのFIREについて解説していきます。
この記事を読めば
- FIREとサイドFIREの違いとは何か
- FIREの達成条件とは何か
- FIREとサイドFIREのどちらを目指すべきか
これらが分かります。
目次
FIREとサイドFIREの違いとは何か?

まず、FIREとサイドFIREの違いについて説明します。
FIREとサイドFIREを図で表すと下図のようになります。

言葉で説明すると、FIREの状態とは「金融資産からの所得」>「生活費」であり、サイドFIREとは「金融資産からの所得」+「給与所得」>「生活費」です。
そうです。早期「リタイヤ」と言っておきながらサイドFIREでは、まだ働いていて給与を受け取っている状態なのです。
このことがFIREとサイドFIREの決定的な違いです。
では、なぜ完全にリタイヤするのではなく、サイドFIREという考え方存在するのか、その理由について解説していきます。
その理由とは、図1中に書かれている金融資産にあります。
仮に生活費を一定値とした場合、FIREとサイドFIREでは必要な金融資産の金額が大きく違ってきます。
当然、FIREの方が多くの金融資産を準備しなければならないことは予想できますね(;^_^A
では、具体的にどの程度の金額・時間が必要であるのか、次の「FIREの達成条件」で解説します。
FIREの達成条件とは何か?

FIREの達成条件(4%ルール)
FIRE達成に必要な金融資産は生活費の25倍と言われています。
その根拠は、アメリカのトリニティ大学でなされた研究をもとに算出された値です。
この研究では「ある一定の貯蓄を保有する退職者が資産運用をしつつ、毎年一定割合の資産を切り崩した場合、資金が底をつかない切り崩しの割合が4%である」と結論付けています。
そのため「年間の生活費×25倍の金融資産」がFIRE達成の条件となります。
各生活費ごとのFIREの達成条件を表にまとめました。
生活費 | FIREに必要な金融資産 |
180万円/年 (15万円/月) | 4,500万円 |
240万円/年 (20万円/月) | 6,000万円 |
360万円/年 (30万円/月) | 9,000万円 |
480万円/年 (40万円/月) | 1億2,000万円 |
いかがでしょうか。想像以上に必要な金融資産の金額が大きかったのではないでしょうか。
仮に生活費が15万円/月という、かなりの倹約家であったとしてもFIREに必要な金融資産は4,500万円という大金となります。
では、この4,500万円を準備するためにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
仮に月15万円を積み立てて、利回り5%の投資信託で運用した場合、約16.5年 かかる計算になります。
つまり、毎月15万円を貯蓄に回すのはかなり大変な作業であるのも関わらず、そのような生活を17年近く継続してようやく達成できるレベルということです。
これは、なかなか至難の業ですよね(;^_^A
しかし、次に紹介するサイドFIREであればこの時間は一気に短縮されます。
サイドFIREの達成条件
サイドFIREに必要な金額を表にまとめると次のようになります。
※給与所得は10万円/月としました。
生活費 | サイドFIREに必要な金融資産 | FIREに必要な金融資産 |
180万円/年 (15万円/月) | 1,500万円 | 4,500万円 |
240万円/年 (20万円/月) | 3,000万円 | 6,000万円 |
360万円/年 (30万円/月) | 6,000万円 | 9,000万円 |
480万円/年 (40万円/月) | 9,000万円 | 1億2,000万円 |
いかがでしょうか?
先ほどと同様に、 生活費が15万円/月 の状態でサイドFIREを達成するには1,500万円 (FIREの場合は4,500万円)が必要であることが分かります。
仮に月15万円を積み立てて、利回り5%の投資信託で運用した場合、約7年で済む計算になります。
2つの達成条件について
FIREとサイドFIREの達成にかかる時間を比較すると圧倒的にサイドFIREが短いことが分かります。
FIRE達成には約16.5年かかっていた時間が、サイドFIREであれば約7年に大幅短縮されます。
これこそが、完全なFIREだけでなくサイドFIREという考え方が存在する理由です。
ここで疑問に思うことが「FIREとサイドFIREどちらを目指すべきなの?」ということです。
この疑問に対する私の考え方を説明します。
FIREとサイドFIREのどちらを目指すべきか

サイドFIREを目指す3つの理由
結論から言うと、私はサイドFIREを目指す方が良いと思います。

私がサイドFIREを目指すべきだと考える理由は以下の3つです。
サイドFIREを目指すべき理由
- 自分が稼ぐ力を失うことはリスクに繋がる
- ほどよいストレスは良い休日を生む
- 達成までの年数が短い
それぞれについて解説します。
1 自分が稼ぐ力を失うことはリスクに繋がる
完全にFIREしてしまうと、全く働かなくなり「自分自身で稼ぐ力が衰えてしまう」ケースが想定されます。
毎月の生活に必要な分のお金が金融資産から生み出される訳ですが、それが一生継続する保証はどこにもありません。
例えば、この記事を執筆している2021年8月現在では米国、あるいは、全世界へのインデックス投資がほぼ正解であると言われていますが、15年後20年後も同じことが言えるのかは分かりません。
自分の手元にお金を運ぶ手段は多ければ多いほど現金が枯渇するリスクは低くなります。
そのため、自分自身の稼ぐ力を維持・向上させるためにもサイドFIREの方が良いと考えます。
2 ほどよいストレスは良い休日を生む
2つ目の理由は「ほどよいストレスは良い休日を生む」からです。
例えば、月曜日~金曜日まで働いた週の土日は待ち遠しくて、とても充実しますよね!
しかし、10連休の中日5日目、6日目なんかは何となく過ぎていき、充実感は無い訳ではないが何か物足りない感じがします。
つまり、良い休日を過ごすためにはある程度のストレスが必要不可欠ということです。
そもそも、FIREを目指す人の中にはFIREの目的を間違えている人をたまに見かけます。
FIREの目的
〇自分らしく生きるため
×仕事を辞めるため
「自分らしく生きる」ことがFIREの真の目的です。
仕事を辞めることがFIREの目的ではないことに注意です。
毎日長時間の残業&休日出勤といったような仕事ではなく、ほどよいストレスの仕事をして良い休日を過ごすことが自分らしく生きることに繋がるのであれば、サイドFIREは良いと思います。
3 達成までの年数が短い
3つ目の理由は「達成までの年数が短い」ことです。
本記事で解説したようにサイドFIREは達成までの年数がFIREに比べて圧倒的に短いです。
そのため、達成のハードルがFIREに比べて低いことはサイドFIREの良い点だと思います。
(余談)Ayumuにとって「自分らしく生きる」とは?
余談ですが、私にとって「自分らしく生きる」とはどういう生き方なのか、今イメージしていることを書きます。
大きく分けて以下の3つはやりたいと考えています。
1 毎朝ランニング&筋トレして超健康を維持
平日・休日問わず毎朝ランニングして超健康的な身体でありたいです。
寿命ではなく健康寿命を延ばしていきたいです。
2 両親、家族との時間を多くとる
いままでお世話になった両親や妻・子供と過ごす時間を多くとりたいです。
色々なところに旅行に行ったり、美味しいものを食べたりしたいです。
3 塾講師になりたい
大学生のときに塾講師のアルバイトをしていました。
どれだけ働いても疲れることが無く、自分に向いているかも?と思う職業なので、サラリーマンをやめたらチャレンジしてみたいです。
まとめ
本記事をまとめます。
- FIREとサイドFIREの違いとは何か
- FIREの達成条件とは何か
- FIREとサイドFIREのどちらを目指すべきか
これらの内容について解説しました。
この記事をここまで読んで頂いているということは、FIREに対して少なからず興味がある方だと思います。
Twitterであなたが思い描くFIRE後の人生についてリプ・DMなど頂けると嬉しいです!
最後に、FIREについて書かれたおすすめ書籍のリンクを貼っておきます。
サラリーマン(三菱系企業)でありながら7年半で7,000万円もの資産を築き上げてセミリタイアを達成した方の著書です。